爽やかな夏にぴったりの赤ワイン、冷涼産地がポイント、ドイツ3品種をご紹介!
真夏に赤ワインを楽しむこと、普通に考えるとミスマッチのように感じている方も多いのではないでしょうか?実際、夏場の食事を考えていただければ、サッパリしたものが好まれますし、それに合わせる赤ワインとなると…。
そこで、今回はそんな真夏でも飲みたくなるような冷涼産地であるドイツから3つの素晴らしい品種を紹介したいと思います。

ドイツのワイン産地について
クールクライメント
ドイツの冷涼な気候に適応したブドウ品種であるクールクライメント品種が多く栽培されています。クールクライメント品種は、低温でも十分な熟度を達成し、酸味や風味のバランスのとれたワインを生み出すことができます。
代表的なクールクライメント品種としては、リースリング(Riesling)があります。リースリングはドイツワインの代表的な品種であり、鮮やかな酸味とフルーティーなアロマが特徴です。この品種は寒冷な気候下でも優れた酸味を維持し、複雑で長寿命なワインを生み出すことができます。
また、ピノ・ノワール(Pinot Noir)もドイツで広く栽培されています。ピノ・ノワールは気温の変化に敏感で、冷涼な気候下で最も良い結果を生み出します。ドイツのピノ・ノワールは軽やかでエレガントなスタイルのワインとして知られており、フルーツの風味と繊細な酸味が特徴です。
これらのクールクライメント品種は、ドイツの冷涼な気候と土壌条件によって生育し、独自の風味やキャラクターを持ったワインを生み出すことができます。
主要な赤ワイン産地の特徴
ドイツの各産地には、それぞれ独自の気候と土壌を持ち、異なるワインの特性を生み出しています。ここでは、今回のテーマである赤ワインの産地に目を向けてみましょう。
- ベルクシュトラーセ(Mosel):モーゼル川沿いの美しい斜面に位置し、リースリングワインで有名です。しかし、近年ではピノ・ノワール(Spätburgunder)の栽培も増えています。この地域では、モーゼルの冷涼な気候とシスト(頁岩)の豊かな土壌が、優れた赤ワインの生産を可能にしています。
- アール地方(Ahr):赤ワインの生産量が最も多い地域の一つです。特にピノ・ノワール(Spätburgunder)が栽培され、高品質でフルボディな赤ワインが生み出されます。この地域は、温暖な気候とスレート(頁岩)の土壌が特徴であり、ピノ・ノワールに理想的な環境を提供しています。
- バーデン地方(Baden):ドイツで最も暖かい気候を持つ地域の一つであり、多様な赤ワインが生産されています。ここでは、ピノ・ノワール(Spätburgunder)のほかにも、メルロー(Merlot)、シラー(Syrah)、カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)などの品種も栽培されています。バーデンの多様な土壌と温暖な気候が、エレガントでフルボディな赤ワインの生産を支えています。
3つの品種を一覧で
種 | 味わいの特徴 | フレーバーノート | 酸味の強さ | 場面とフードペアリング |
---|---|---|---|---|
Trollinger | 軽やかでフルーティーな味わい | イチゴ、チェリー、少しのバブルガム、ほのかなスモーク、フレッシュな酸味 | 中程度 | ピクニック、湖やビーチでの陽気な午後、伝統的なソーセージ、地中海料理、アンティパスト、ブリーやカマンベールのソフトチーズ |
Spätburgunder | エレガントで上品な味わい | チェリー、イチゴ、土のニュアンス、穏やかなタンニン、中程度から高い酸味 | 中程度から高め | 高級な食事、ビジネスのイベント、エレガントな夜の食事、鶏のサテ、ローストダック、土のニュアンスのあるキノアと季節の野菜 |
Dornfelder | 力強くスパイシーな味わい | ブラックフルーツのニュアンス、花の特徴、中程度からフルボディ、オークエイジングによるスパイスのニュアンス | 中程度から高め | ピザ、カジュアルな食事、ミートボール、ローストした鶏肉や豚肉 |
トロリンガー(Trollinger)
トロリンガーは、ドイツの南西部に位置するヴェルテンベルク地域のヒーローです。トロリンガーはこの地域で長い歴史を持つ伝統的な品種であり、軽やかな赤ワインやロゼワインとして栽培されています。
同じ赤ワインの品種として北イタリアでも知られ、Schiava(スキアーヴァ)とも呼ばれています。南チロル地方か、その隣のトレンティーノ地方の土着品種ではないかと言われ、同地ではヴェルナッチと呼ばれています。
ヴェルテンベルク地方(Württemberg):
- 気候: ヴェルテンベルク地方はドイツ南西部に位置し、温暖な大陸性気候が特徴です。夏は比較的暑く、降水量も豊富です。
- 土壌: ヴェルテンベルク地方の主要な土壌は、粘土質のロームシュトライン(Loess)です。ロームシュトラインは水を保持しやすく、根の成長に適した土壌です。
- 味わいの特徴:軽やかでフルーティーな味わい
- フレーバーノート:イチゴ、チェリー、少しのバブルガム、ほのかなスモーク、フレッシュな酸味
- 酸味の強さ:中程度
- フードペアリング:ピクニック、湖やビーチでの陽気な午後、伝統的なソーセージ、地中海料理、アンティパスト、ブリーやカマンベールのソフトチーズ
シュペートブルグンダー(Spätburgunder)
シュペートブルグンダーとはドイツ語で「遅い」という意味のシューペートと、「ブルゴーニュの」を意味する「ブルグンダー」が組み合わさった言葉で、成熟の遅いピノノワールを指したドイツ語です。
ドイツはフランスとアメリカに次ぐ世界第3位のピノ・ノワールの栽培国です。通常、Pfalz(ファルツ)、Rheinhessen(ラインヘッセン)そしてBaden(バーデン)といった暖かい地域を好むSpätburgunderは、フルボディで、上手に管理された樽熟成に非常によく合うワインを生み出すことで知られています。
バーデン地方(Baden):
- 気候: バーデン地方はドイツ南西部に位置し、温暖な大陸性気候が広がっています。夏は暑く、降水量は比較的多いです。
- 土壌: バーデン地方の土壌は多様であり、火山性の玄武岩や花崗岩、砂質土壌などが存在します。これらの土壌は水はけが良く、ワインの品質向上に寄与しています。
ラインヘッセン地方(Rheinhessen):
- 気候: ラインヘッセン地方はドイツ西部に位置し、温暖な大陸性気候が広がっています。夏は暑く、降水量は比較的少なめです。
- 土壌: ラインヘッセン地方の主要な土壌は、粘土質のロームシュトライン(Loess)と石灰岩が混ざった土壌です。これらの土壌は保水力があり、ワインに豊かなフルーツ味をもたらします。
ファルツ地方(Pfalz):
- 気候: ファルツ地方はドイツ南西部に位置し、温暖な大陸性気候が広がっています。夏は暑く、降水量は比較的少なめです。
- 土壌: ファルツ地方の土壌は多様であり、石灰岩、砂岩、粘土質のロームシュトライン(Loess)などが存在します。これらの土壌は保水性が高く、ワインに豊かな果実味とミネラル感をもたらします。
- 味わいの特徴:エレガントで上品な味わい
- フレーバーノート:チェリー、イチゴ、土のニュアンス、穏やかなタンニン、中程度から高い酸味
- 酸味の強さ:中程度から高め
- フードペアリング:高級な食事、ビジネスのイベント、エレガントな夜の食事、鶏のサテ、ローストダック、土のニュアンスのあるキノアと季節の野菜
ドルンフェンダー(Dornfelder)
ドルンフェルダーは異なるブドウ品種を掛け合わせて造られた交配品種。この品種は、ヘッセン州を中心に栽培されています。
濃い紫色の果実を持ち、フルボディで力強い味わいが特徴です。ドルンフェルダーは、しっかりとしたタンニンとほどよい酸味を備えており、豊かな果実味とスパイシーなニュアンスが絶妙に調和しています。
ラインヘッセン地方(Rheinhessen):
- 気候: ラインヘッセン地方はドイツ西部に位置し、温暖な大陸性気候が広がっています。夏は暑く、降水量は比較的少なめです。
- 土壌: ラインヘッセン地方の主要な土壌は、粘土質のロームシュトライン(Loess)と石灰岩が混ざった土壌です。これらの土壌は保水力があり、ワインに豊かなフルーツ味をもたらします。
ファルツ地方(Pfalz):
- 気候: ファルツ地方はドイツ南西部に位置し、温暖な大陸性気候が広がっています。夏は暑く、降水量は比較的少なめです。
- 土壌: ファルツ地方の土壌は多様であり、石灰岩、砂岩、粘土質のロームシュトライン(Loess)などが存在します。これらの土壌は保水性が高く、ワインに豊かな果実味とミネラル感をもたらします。
- 味わいの特徴:力強くスパイシーな味わい
- フレーバーノート:ブラックフルーツのニュアンス、花の特徴、中程度からフルボディ、オークエイジングによるスパイスのニュアンス
- 酸味の強さ:中程度から高め
- フードペアリング:ミートラバーズピザ、ネトフリの番組「Legit」、ミートボール、ローストした鶏肉や豚肉
おわりに
この夏、暑い日にぴったりのドイツの赤ワインを楽しんでみてはいかがでしょうか?
トロリンガーの軽やかさとフルーティーな味わい、シュペートブルグンダーのエレガントさと上品な酸味、そしてドルンフェンダーの力強さとスパイシーな特徴が、さまざまなシーンや料理との相性を楽しませてくれます。
夏の爽やかな時間を、ドイツの赤ワインとともにお楽しみください。
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