品種拡張、世界のクラシックワイン:試飲するべき一覧 20種類

ワインの美味しさに気が付いたものの、どんな品種を試したらいいのか分からない。

本記事では、そんな方へ特定のエリアではなく世界に目を向けて探していきます。

代表的なブドウ品種、ここではクラシックワインと称しますが、それぞれの産地には気候や

土壌の違いも有れば、エリアの伝統や製造手法の違いにより多様なスタイルが存在ます。

我々は、それぞれの品種の魅力を明らかにし、その異なる味わいのバリエーションを探求します。

クラシックワインは種類が非常に多く、次にどのような物を比較すればよいのか分かりにくいです。

ここでは、ワインのスタイルが理解しやすいよう白ワインと赤ワインの品種に分けて詳しく解説をしていきます。

それでは、ワインの魅力と多様な世界への探求を始めましょう。

クラシックワインについて

ワインの世界には「古典的な」と呼ばれる品種が存在します。このワインは、特定のスタイルやカテゴリーのワインを代表するものです。

例えば、フランスのボルドー地区、メドックで造られるカベルネ・ソーヴィニヨンベースの赤ワインは、フランスのボルドーエリアの典型的スタイルであり、昔から一貫して生産されています。こうしたクラシックワインは、ワインを教える際に好まれ使用されています。

それでは、ここから白と赤に分けて試してみるべきリストを完成させていきましょう。

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クラシックな白ワインリスト

まず、知っておくべき古典的な白ワインの基本的なリストを紹介します。

アルバリーニョ(Albariño)

アルバリーニョはスペインのリアス・バイシャス地域で栽培される白ワイン用のブドウ品種です。このワインは通常、高い酸度と爽やかなシトラスの香りを持ち、海の近くのブドウ畑で育てられることが多いため、海洋の影響を受けた独自の風味を持っています。アルバリーニョはピノ・グリ、シャナン・ブラン、無樽のシャルドネとスタイルが似ているため比較されることがあります。

シャルドネ(Chardonnay)

シャルドネは冷涼エリアの柑橘系の香りと引き締まったタイトなスタイルから、暑いエリアのトロピカルフルーツ系のリッチなスタイルまで、かなりのバリエーションがある品種です。

代表的な生産国フランス・ブルゴーニュ地方のシャルドネは、大きく分けてシャブリ、コート・ドール、マコネと3つのスタイルがあります。特にコート・ドールのワインたちは、タイトさとリッチさを兼ね備えた世界最高品質のシャルドネワインが生産されています。

スタイルを比較するなら、シャブリ地域は多くがミネラル感とクリーンな酸味を持ち、ほかの2つの産地には樽熟成からくるリッチな味わいが期待できます。オーストラリアとカリフォルニアのシャルドネは醸造法や熟成の過程の違いなどからバニラやバターのニュアンスを持つことが多いでしょう。

シュナン・ブラン(Chenin Blanc)

シャナン・ブランはフランスのロワール地域で生産される白ワイン用ブドウで、AOCサヴェニエールなどの産地では骨太でミネラル感のあるワインを生み出します。対して、南アフリカのシャナン・ブランはフルーティで瑞々しさがあります。これら異なる産地からシャナン・ブランを比較してみてください。

もともと、酸味が強い品種ではありますがフランスの冷涼な産地での引き締まった酸味と白い花のニュアンス、南アフリカでは密度のある果実味と蜂蜜のような甘い香りが愉しむことができます。

ゲヴュルツトラミネール(Gewürztraminer)

ゲヴュルツトラミネールはフランスのアルザス地域が有名で、通常は芳醇な花の香り(バラやジャスミン)とスパイスのニュアンスを持ちます。しかし、アメリカのソノマやイタリアのトレンティーノ=アルト・アディジェ州などの産地では、よりドライ(辛口)で複雑なスタイルが生産されます。

アルザスと他の産地のゲヴュルツトラミネールを比較することで、香りと味わいの違いを発見できます。糖度の上がりやすい品種のため、香りのボリュームに負けない豊かな味わいを楽しむことが出来ます。

ピノ・グリ(Pinot Gris)

ピノ・グリは、アルザス、北イタリア、オレゴンなどで栽培され、白ワイン用のブドウとしては非常に多様なスタイルを持っています。アルザスのピノ・グリはリンゴや洋ナシの風味を持ち、オレゴンのピノ・グリはクリーンでミネラル感があります。さらに、イタリアのピノ・グリ(ピノ・グリ―ジョ)は他産地とは異なりライトな風味を提供します。

リースリング(Riesling)

リースリングは非常にブラインドテイスティングやりがいの有る品種(分かりにくい)で、ドイツ、フランスのアルザス、オーストリア、オーストラリアなどから甘口~辛口、スティルワイン~スパークリングワインなど様々なスタイルで生産されています。

アルザスのリースリングは通常、花の香りと酸味があり、ドイツのものはよりドライです。オーストリア(ドイツの熟成したスタイル)とオーストラリア(ペトロ―ル香を感じやすい)のリースリングは、異なる特徴を持っています。是非、比較をして確認してみてください。

ソーヴィニヨン・ブラン(Sauvignon Blanc)

ソーヴィニヨン・ブランはフランス・ボルドーやカリフォルニアなど多くの産地で栽培され、オーク樽で熟成させたものと、フランス・ロワール地域やニュージーランドからのものでは樽熟成させずステンレスで発酵、熟成させるなど異なる風味を持ちます。

銘醸地として有名なのは、フランス・ロワールのソーヴィニヨン・ブランで高い酸度とミネラル感があり、カリフォルニアのものはバニラやオイリーなニュアンスがあることがあります。特に近年、人気なニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランはパッションフルーツのようなハッキリとした果実の風味と青草のような溌溂としたキャラクターが特徴です。

トロンテス(Torrontés)

アルゼンチンのトロンテスは高い香りと甘さを持ち、アルゼンチンの中でも産地によって異なる特性を示します。メンドーサ地方からのトロンテスは甘く、サルタとカタマルカ地方からのものは、よりしなやかでドライな印象です。この違いを味わい分けることで、アルゼンチンのトロンテスの違いが理解したすくなります。

ヴィオニエ(Viognier)

ヴィオニエは非常に芳香性の高い白ワイン用品種で、フランスのコンドリュー地域が最も有名です。しかし、カリフォルニアのセントラル・コースト地域(パソ・ロブレスなど)からのものは、異なる風味プロファイルを提供し、より広い味覚体験をもたらします。

クラシックな赤ワインリスト

つぎに、赤ワインリストを確認していきましょう。

カベルネ・ソーヴィニヨン(Cabernet Sauvignon)

カベルネ・ソーヴィニヨンは世界中で栽培され、異なる特性を持っています。例えば、フランス・ボルドー地域のカベルネ・ソーヴィニヨンは通常、黒い果実の風味と堅固なタンニンを持ち、南オーストラリアからのものはさらに濃厚で果実味が豊かになります。海面から高地、チリのカベルネ・ソーヴィニヨンは濃縮感のある黒系果実と、高地特有の酸味とタンニン、価格と品質のバランスが優れています。

米国全体からは様々なスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンが生産されています、フランスの物よりも日照時間が長いため酸味が少なく果実味と酒精の強いパワフルな味わいに仕上がることが多いです。

ガメイ(Gamay)

ガメイはフランスのボージョレ地域が特に有名で、通常は明るくフルーティで軽快な赤ワインを生み出します。ボージョレのクリュやヴィラージュ、ヌーヴォーなど、品質レベルや味わいにハッキリとした違いがあります。ガメイは他の地域ではあまり栽培されず、ボージョレでその特性を存分に楽しむことができます。

グルナッシュ(Grenache)

グルナッシュはフランスのシャトーヌフ・デュ・パプに代表されるようなローヌ地方や南オーストラリアで主に栽培され、異なる地域からのものは非常に異なる特性を持っています。シャトーヌフ・デュ・パプのグルナッシュはスパイスの風味と豊かな果実味を持ち、南オーストラリアのものは力強くて濃厚です。さらに、スペインのグルナッシュ(別名:ガルナッチャ)の異なる風味も絶対に外せません。

マルベック(Malbec)

マルベックはアルゼンチンのメンドーサ地域が特に有名で、多くの人に愛されています。メンドーサのマルベックはしばしば濃厚な黒い果実の風味と滑らかなタンニンを持ち、ワインの友達のような存在です。アルゼンチン以外でも、フランスの南西地域(カオールなど)からのものなどがあり、それぞれ異なるスタイルを提供します。

メルロー(Merlot)

メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンと同様に世界中で栽培されており、特にボルドー地域で広く使用されています。メルローは柔らかいタンニンと赤い果実の風味を持ち、カベルネ・ソーヴィニヨンと混ぜてブレンドされることも多いです。メルローはカベルネ・ソーヴィニヨンと比較すると、より柔らかく飲みやすい傾向があります。

ネッビオーロ(Nebbiolo)

ネッビオーロはイタリアのピエモンテ地域が有名で、バローロとバルバレスコという有名なワインの原料として使われます。ネッビオーロは高い酸度としっかりしたタンニンを持ち、熟成がすすむと複雑で独特な風味に発展させます。バローロとバルバレスコを比較することで、ネッビオーロの独自性を理解できるはずです。

ピノ・ノワール(Pinot Noir)

ピノ・ノワールはフランス・ブルゴーニュ、アメリカ・カリフォルニア、オレゴン、ニュージーランド・セントラルオタゴなどで栽培され、各地域からのものは異なる風味を持っています。

ブルゴーニュのピノ・ノワールはしばしばエレガントで花の香りがあり、オレゴンのものはミネラル感があります。さらに、カリフォルニアやニュージーランドからのピノ・ノワールもコーラのような独特の特性を示します。

サンジョヴェーゼ(Sangiovese)

サンジョヴェーゼはイタリアのトスカーナ地域が特に有名で、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノやキャンティ・クラッシコなどのワインに使用されます。サンジョヴェーゼは高い酸度とチェリーの風味を持ち、異なるトスカーナ産地からのものはスタイルに差があります。

シラー(Syrah)

シラーは南オーストラリア、北ローヌ、アメリカなどで栽培され、異なる特性を持っています。南オーストラリアのシラーズは濃厚な果実味とスパイス、柔らかいタンニンとユーカリのような風味を持ち、フランス・北ローヌのシラーはそれに比べてエレガントでスリムなタンニンの存在があります。また、アメリカのシラーもこれらと異なるスタイルを提供します。

テンプラニーリョ(Tempranillo)

テンプラニーリョはスペインのリオハとリベラ・デル・ドゥエロ地域で主に栽培され、異なる産地からのものは異なる風味を持っています。リオハのテンプラはしばしばスパイスとバニラの風味があり、リベラ・デル・ドゥエロのものは力強くい味わいにタンニンの存在が感じられます。

ジンファンデル(Zinfandel)

ジンファンデルはアメリカのワインとして広く知られており、カリフォルニアからのものは特に有名です。カリフォルニアのジンファンデルは果実味豊かでしばしばベリー類の風味を持ち、産地によっては異なる風味プロファイルがあります。カリフォルニアのサブリージョン、例えばパソ・ロブレス、ソノマ・バレー、ナパ・バレーなど、各地域からのジンファンデルを試飲することで、その多様性を探求してみてください。

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まとめ

ここに記したリストは、テイスティング能力を向上させるのに役立つと思います。

同じ品種でも、産地によって気候も異なれば土壌も違い、その結果味わいに違いとして表れることになります。

スキルアップや知識アップのヒントとして、手助けになりましたら幸いです。

記事を書いた人

しょうたろう
しょうたろう
ワイン愛好家に向けて2023年よりWebサイト「WINE自習室」でワインの魅力を発信。エレガントな赤、アロマティックな白ワインが好み、最近は陽気なイタリアワインがお気に入り、ワインを飲むのが楽しくなる情報をたくさん配信できるよう頑張ります。J.S.Aワインエキスパート2020年取得

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