銘醸地の旅、イタリア-サルデーニャ島:風土を詠むトップワイン生産者を巡る旅

あなたは新しいワインの産地を探していますか?

もしそうなら、イタリアの美しいサルデーニャ島への旅に出かけましょう。この記事では、数世紀にわたるワイン造りの伝統が息づくサルデーニャの魅力的な歴史と独特な特徴について探求します。

魅力的なストーリーによって、あなたをサルデーニャワインのフレーバーの世界に誘います。それでは、地中海の宝石であるこの島の味わいを満喫してください。

ルーツと古代からの旅

地中海の中心に広がるサルデーニャのワイン造りの歴史は、島そのものと同じように豊かで多様です。数世紀にわたり、サルデーニャは土着品種と外国品種のぶどうを栽培し、イタリア本土とは異なる見事なワイン文化を育んできました。

歴史の記録によれば、この魅惑的な島でのワイン造りは古代にまで遡り、ヌラギ文明時代にはぶどう栽培の痕跡が見つかっています。しかし、本格的なワイン造りが広まったのはフェニキア人とカルタゴ人が到来した頃からでした。

これらの海洋民族が新しいワイン造りの技術やぶどう品種を持ち込むことで、サルデーニャのワインは島外で認知されるようになり、その味わいに深みと複雑さが加わりました。

時が経つにつれ、サルデーニャは様々な侵略に見舞われ、それぞれがワイン文化に影響を与えました。ローマ人、ヴァンダル人、ビザンチン人、スペイン人が島のブドウ畑に新しいぶどう品種をもたらし、ワイン造りの手法を洗練させました。しかし、サルデーニャが真のワイン生産地としてのアイデンティティを確立したのは20世紀に入ってからでした。

1970年代に、安価なバルクワインが市場を氾濫し、品質よりも量を重視する傾向が顕著でした。この時、EUの補助金政策により、サルデーニャのワイン生産者は品質向上に重点を置くよう促されました。

アルジョラスワイナリーのアントニオ・アルジョラスのような先見の明あるワイン生産者たちは、ブドウ畑の改良やモダンなワイン醸造技術に投資し、サルデーニャのワインを国際的に高く評価されるものへと押し上げました。

今日、サルデーニャは広範な品種を誇り、チャードネ、カベルネ・ソーヴィニョン、メルロなどのよく知られた品種から、カンノウ、ボヴァーレ・サルド、カリニャーノ・デル・スルチス、ジロ、モニカ、マルヴァジア、モスカートなどの土着の宝物まで幅広い品種が栽培されています。

これらの品種は島の個性と歴史を反映したワインを生み出し、サルデーニャを独自のワイン文化を持つ素晴らしいワインの目的地として輝かせています。

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土と海の調和が育むワインの個性

サルデーニャの特別なワインは、多様な土壌と地中海性気候によってその特性が形成されています。これらの要素の組み合わせが、ワインに独自の味わいと複雑さを与え、真に特別な存在として輝きます。

サルデーニャの地形は多岐にわたり、山岳地帯、起伏に富んだ丘陵、海岸の平野が広がっています。土壌も同様に多様で、石灰岩、粘土、花崗岩、片岩などがあり、ワイン生産者に多彩な選択肢を提供しています。豊かでミネラル豊富な土壌は、ワインに深みと洗練された風味をもたらし、島のテロワールを豊かに反映しています。

地中海性気候はサルデーニャのワインの品質をさらに高めます。暑く乾燥した夏と穏やかな冬により、ぶどうは長い日照時間に恵まれ、糖分を蓄積します。暑い季節に吹く海風は、ぶどうの酸味を保ち、最終的なワインに完璧なバランスをもたらします。

サルデーニャのブドウ畑を特徴づけるもう一つの特徴は昼夜の気温差です。日中と夜間の気温差がほどよく、ぶどうの香り成分を保ち、ワインに魅惑的で強いブーケを与えます。

例えば、沿岸地域で生産されるワインは海の影響を受け、塩味を帯びた爽やかな特徴を持ち、シーフード料理に絶妙にマッチします。一方で、高地のブドウ畑から生まれるワインは、気温変動の影響を受け、より複雑で力強い味わいを持ちます。

アルジョラス – サルデーニャの誇る名門ワイナリー

サルデーニャ島のワインシーンにおいて、輝かしい存在として君臨するのが、「アルジョラス(Argiolas)」です。この名門ワイナリーは、イタリアワインの精鋭を輩出する中でも特に評価が高く、多くのワイン愛好家から絶大なる信頼を寄せられています。

極端な話、サルデーニャ島ではアルジョラスだけをお勧めします。

アルジョラスの歴史 – 品質への情熱と覚悟の集大成

アルジョラスは、1918年にフランチェスコ・アルジョラス氏によって設立されました。当初は地元の採算が悪いぶどう畑でワインを生産していましたが、EUの補助制度に対して逆行し、ぶどう畑の買い増しと品質重視に転換しました。フランチェスコ氏の息子であるアントニオ・アルジョラス氏は、この家業を継承することになりましたが、彼もまた妥協を許さぬワイン造りの理念と情熱を胸に秘めていました。

アルジョラスは苦しい道のりを乗り越え、1970年代後半から量よりも質を重視し、その試みは成功を収めました。やがてアルジョラスの瓶入りワインは、バルクワインの売上を超え、世界中のワイン愛好家に愛されるようになりました。

アルジョラスのワイン – 土着品種との融合

アルジョラスは多様な品目のワインを造り出していますが、特にサルデーニャ固有の土着品種を大切にしています。これらの土着品種はサルデーニャの風土に適応し、ユニークな風味を生み出す鍵となっています。

代表的なワインとして、以下の名前が挙げられます。

・コステラ Costera :カンノナウ 90%、カリニャーノ 5%、ボヴァーレ・サルド 5%のブレンド。オーク樽で6~8か月熟成され、土の匂いとスパイス感、黒スグリを思わせる味わいが舌鼓を打ちたくなるなめらかさを持っています。

・ベルデラ Perdera :モニカ 90%、カリニャーノ 5%、ボヴァーレ・サルド 5%の単一畑の赤ワイン。やや武骨ながら果実味が躍動しサクランボや黒胡椒の風味がよぎります。

・トゥッリガ Turriga :カンノナウ 85%、マルヴァジア・ネラ、カリニャーノ、ボヴァーレ・サルド合わせて15%の単一畑の赤ワイン。とびきり強烈で洗練されたワインで、野生のサクランボや黒スグリの風味がどっと溢れるなかに明瞭なオークが感じられます。アルジョラスの赤ワインの最高峰です。

さらに、ヴェルメンティーノ・コスタモリノ・ディ・サルデーニャ(Vermentino Costamolino di Sardegna)やシェレガス・ヌラグス・ディ・カリアリ(Selegas Nuragus di Cagliari)など、多彩なワインを生み出しています。

アルジョラスのワインは、全量が瓶詰めされ、サルデーニャのワインの一部は海外市場にも輸出されています。その品質と個性は、サルデーニャワインの誇りであり、アルジョラスが世界的な評価を受ける理由とも言えるでしょう。

記事を書いた人

しょうたろう
しょうたろう
ワイン愛好家に向けて2023年よりWebサイト「WINE自習室」でワインの魅力を発信。エレガントな赤、アロマティックな白ワインが好み、最近は陽気なイタリアワインがお気に入り、ワインを飲むのが楽しくなる情報をたくさん配信できるよう頑張ります。J.S.Aワインエキスパート2020年取得

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