伊ヴェネト州のロゼ革命、キアレット・ディ・バルドリーノ

欧米では、6月第2土曜日はナショナル・ロゼ・デイといって夏の始まりをロゼワインで祝うイベントがあります。

今回は、数あるロゼワインのなかでも個人的に注目しているイタリア、ヴェネト州の東岸に位置するバルドリーノ地域で生産されているロゼワインを紹介していきます。キアレット ディ バルドリーノは、小さな赤い果実が口いっぱいに広がりジューシーでフレッシュな飲み口の辛口ロゼです。

Chiaretto di Bardolino(キアレット ディ バルドリーノ)

生産地域

Chiaretto di Bardolino(キアレット ディ バルドリーノ)

バルドリーノはロミオとジュリエットの舞台として有名な北イタリアのヴェネト州、東岸に位置しガルダ湖のほとりに広がる美しい風景が特徴です。

ブドウ品種

この地方で造られるキアレット・ディ・バルドリーノとヴァルポリチェッラは、複数のブドウ品種をブレンドされています。コルヴィーナ、ロンディネッラ、モリナーラという品種は、この両方のワインに使用されています。

これらの品種は、ワインに独特な風味やキャラクターをもたらしています。例えば、コルヴィーナは鮮やかな酸味とフルーティーな香りもたせ、ロンディネッラは柔らかなタンニンとフローラルなアロマを提供します。モリナーラは、ワインに軽やかさと華やかさをもたらす重要な役割を果たしています。

ダイレクトプレス(直接圧搾法)

ダイレクトプレスは、ブドウを軽く圧搾して得られる果汁を直接使用する手法です。この方法では、ブドウの果皮との接触時間を最小限に抑え、ワインの色合いが薄く色づきます。

キアレット・ディ・バルドリーノでは、このダイレクトプレスが一般的に使用される醸造手法です。手摘みされたブドウが軽く圧搾され、果汁が抽出され、淡いピンク色のワインが生まれます。

特徴的な味わい

フレッシュでフルーティーな特徴があり、軽やかな口当たりと心地よい酸味があります。赤い果実や花の香りが感じられ、爽やかな余韻が残り夏の始まりの季節にピッタリはまります。

ブドウは慎重に選択され、最適な熟度で収穫され、酸味と果実味のバランスを確保します。優しい圧搾後、ブドウ果汁は短い浸漬期間(マセラシオン)を経ます。この間、果汁と果皮がわずかな時間混ざり合い(スキンコンタクト)、適切な量の色素とタンニンを抽出します。

この繊細なプロセスによってブドウの本質が捉えられ、活気ある香り、爽やかな酸度、魅力的な果実味が特徴のワインが生まれます。

ヴェネト州のワイン生産

ヴェネト州はイタリアでも有数のワイン生産地域であり、多様なワインスタイルを生み出しています。一般的には、ヴェネト州のワイン生産量の内訳は、赤ワイン、白ワイン、ロゼワインの順になります。

赤ワインはヴェネト州の主力であり、特にヴァルポリチェッラやアマローネなどが有名です。白ワインもヴェネト州で重要な位置を占めており、特にソアヴェやピノ・グリージョなどが人気です。

一方、ロゼワインは比較的新しいトレンドであり、近年人気が高まりつつあります。ヴェネト州でもロゼワインの生産が徐々に増えてきていますが、まだ赤ワインや白ワインに比べると生産量は少ない傾向にあります。

この地域では、ロゼワインに使用されるブドウ品種が同じくヴァルポリチェッラワインで有名なコルヴィーナやロンディネッラなどと類似しているため、既存のブドウ畑を活用してロゼワインの生産に移行することが比較的容易でした。これにより、ヴェネト地域でのロゼワインの生産量が増えた要因と考えられます。

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魅力!魅力!魅力!

キアレット・ディ・バルドリーノの魅力は、その繊細な風味と豊かな香りにあります。このワインは、爽やかな酸味と果実の風味が調和したバランスの取れた味わいを持ち、飲み手を魅了します。また、その美しいピンク色の外観と上品な香りは、目と鼻を楽しませます。

キアレット・ディ・バルドリーノは、さまざまなシーンや料理とのペアリングにも適しており、ワイン愛好家にとって必見の一本です。

価格もお手頃なものが多く、試しやすいです。

モンテデルフラ社はヴェネト州クストーザ地区に1958年創業の家族経営のワイナリーです。「バルドリーノ キアレット(ロゼ)」は1300円台の価格ながら『アントニオガッローニ』、『ワインエンスージアスト』で90点以上を叩き出す「驚きのコストパフォーマンス」があり世界的評論家たちも舌を巻く高評価を得ています。

TOSCANY

フードペアリング

軽やかでフレッシュな味わいを持つロゼワインです。その特徴を活かしながら、いくつかのフードペアリングのパターンをご紹介します。

  • シーフードとのペアリング: キアレット・ディ・バルドリーノの爽やかな酸味と軽やかなフルーティな風味は、シーフードとの相性が抜群です。例えば、生のオイスターやホワイトフィッシュのカルパッチョ、シーフードサラダなどが良い選択肢です。キアレット・ディ・バルドリーノのフレッシュな味わいがシーフードの旨みを引き立て、相互に調和したコンビネーションを楽しむことができます。
  • サラダとのペアリング: キアレット・ディ・バルドリーノの軽やかな特性は、さまざまなサラダとの相性も良いです。例えば、フレッシュなグリーンサラダやシーザーサラダ、シーズンの野菜を使ったサラダなどがおすすめです。このワインのフルーティな風味がサラダの爽やかさを引き立て、軽やかな食事の一環として楽しむことができます。
  • ライトなチーズとのペアリング: キアレット・ディ・バルドリーノは、軽やかなボディと穏やかな酸味を持つため、ライトなチーズとも相性が良いです。例えば、フレッシュチーズやチーズの盛り合わせ、モッツァレラやブリーチーズなどが適しています。このワインとチーズの組み合わせによって、酸味とチーズのクリーミーさが相互に調和し、楽しい口当たりと味わいを楽しむことができます。

おわりに

キアレット・ディ・バルドリーノは、ヴェネト州のロゼ革命の代表的なワインです。その軽やかな味わいとフルーティな風味は、軽めでフレッシュ系の料理との相性抜群。北イタリアの美しい景色とともに楽しめる一杯で、心地よいリフレッシュメントを提供します。

様々な産地や歴史、ワインの事を学ぶにはワインスクールで体系的に学ぶことも有効です。

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記事を書いた人

しょうたろう
しょうたろう
ワイン愛好家に向けて2023年よりWebサイト「WINE自習室」でワインの魅力を発信。エレガントな赤、アロマティックな白ワインが好み、最近は陽気なイタリアワインがお気に入り、ワインを飲むのが楽しくなる情報をたくさん配信できるよう頑張ります。J.S.Aワインエキスパート2020年取得

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