味覚の相性(初級編)、素敵な組み合わせ(甘×塩、脂×酸、苦×甘、スパイス)

人間の味覚には、甘味、塩味、脂っぽさ、苦み、スパイス、うま味などがありますが今回は科学的な裏付けを元に代表的な相性の良い組み合わせについてみていきましょう。料理とワインを合わせるフードペアリングなどや色んな場面で役にたってくれます。

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甘味と塩味:絶妙なバランスが味わいを引き立てる

甘味と塩味は、相性の良い組み合わせです。甘味は食材の旨味を引き立て、塩味は食欲を刺激します。一方で、甘味と塩味のバランスが重要であり、過剰な甘さや塩辛さは味わいを台無しにします。適度な量とバランスを保つことがポイントです。

甘味と塩味の相性については、味覚科学の観点からも説明できます。甘味は、舌の前部にある甘味受容体によって感知されます。一方、塩味は舌の側面にある塩味受容体によって感知されます。これらの受容体は別々に作用するため、甘味と塩味を同時に感じることができます。

甘味と塩味の相性が良い理由の一つは、相互補完作用です。塩味は食材の旨味を引き立てる役割を果たし、甘味は食欲を刺激します。そのため、甘味と塩味を組み合わせることで、食材の味わいがより引き立ちます。

ただし、甘味と塩味のバランスが重要です。過剰な甘さや塩辛さは、味わいを台無しにすることがあります。適度な量とバランスを保つことがポイントです。調味料や調理法を工夫することで、甘味と塩味の絶妙なバランスを追求することです。

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脂っぽさと酸味:爽やかな口当たりを演出

脂っぽい料理と酸味は、相性が良い組み合わせです。脂っぽさは口の中をしっかりとした食感や濃厚な味わいでコーティングし、酸味はそれをクリアにし爽やかな口当たりを演出し食欲を刺激します。酸味には、脂っぽさのを中和する働きがあります。例えば、レモンを絞ることでフライドポテトや唐揚げの美味しさが引き立ちますよね。

また、酸味は味覚だけでなく、嗅覚にも影響を与えるため、料理の香りや風味にも変化をもたらします。柑橘系の香りと油の料理、たくさん思い浮かびませんか?もう一つアイディアとして、泡立ちの良い発泡性ワインも組み合わせに入れてみて下さい。

少し変わったところで言うと、高アルコールと脂質も面白いです。アルコールの味は酸味として現れるため、この組み合わせも使えそうですが…、実際には食事の速度を上げるものではありません。むしろ、ゆっくりとなる傾向があります。ですので、食後にゆっくり時間を過ごす際、デザートとアルコールの組み合わせが良いと思います。

苦味と甘味:奥深い味わいを生み出す

苦味と甘味は、相性の良い組み合わせです。苦味は食材の風味を引き立て、甘味は苦味をやわらげます。苦味は、食材に含まれる苦味成分によって感知されます。一方、甘味は舌の前部の甘味受容体によって感知されます。甘味は苦みを和らげることができます。

特に、チョコレートやコーヒーなどの甘味と苦味のバランスは絶妙で、奥深い味わいを楽しむことができます。チョコレートに含まれるカカオには苦味成分がありますが、同時に甘味も感じられます。適切な配合と加工によって、甘味と苦味が調和した奥深い味わいを生み出すことができます。

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スパイスと味覚:多彩な風味を加える

スパイスは、味覚に多彩な風味を加えます。例えば、カレーのスパイスは辛味や香ばしさをもたらし、料理に深みと食欲の刺激を与えます。スパイスの種類には多様な成分が含まれており、それぞれが独特の味覚効果を持っています。

スパイスと味覚との相性は要素との組み合わせによって変化します。例えば、辛味のあるスパイスは、甘味や酸味との相性が良い場合もあります。一方で、辛味と苦味の相性はあまり良くありません。そのため、スパイスを使用する際には、料理全体の味わいを考慮しながらバランスを調整することが重要です。

苦みと脂肪:口中がスッキリ、食欲が増す

分厚く脂身の多い牛肉のステーキをイメージしてみましょう。噛み応えもありますが、嚙んだ際にお肉から出てくる脂をタンニンを多く含むワインと組み合わせることで、脂が凝固しスッキリ洗い流してくれます。これは古典的な組み合わせですが、最も効果的な方法となります。

ハーブの入った小ぶりのポテトコロッケに火を通して刻んだ赤いトマトと、チェリーの風味のするサンジョヴェーゼなどは、揚げ物の油をタンニンでバランスを取ってくれ、トマトの風味とチェリーの組み合わせが調和して相乗効果を生み出してくれます。

おわりに

味覚の相性をちょっと科学的な視点から見てみました。

これらの要素を組み合わせることで、食事や料理の楽しみがさらに広がることでしょう。

記事を書いた人

しょうたろう
しょうたろう
ワイン愛好家に向けて2023年よりWebサイト「WINE自習室」でワインの魅力を発信。エレガントな赤、アロマティックな白ワインが好み、最近は陽気なイタリアワインがお気に入り、ワインを飲むのが楽しくなる情報をたくさん配信できるよう頑張ります。J.S.Aワインエキスパート2020年取得

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